堀監督のエッセンスを見事にブレンド。「守れる浦和レッズ」が誕生 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

「戻って守備をするという意識は、チーム全体で高くなっていると思います。もともとなかったわけじゃないですけど、ちょっと疎(おろそ)かになっていた印象もあった。それを堀さんが監督になってから、運動量と攻守の切り替えの部分に対しては特に言われるようになって、だいぶみんなも意識してやってくれるようになった。練習からブロックを作る守備についても落とし込んでくれているので、そこはミシャ(ペトロヴィッチ前監督)と違って、堀さんがそのミシャが築いたところにプラスアルファしてやっていることのひとつなのかなと思います」

 その守備意識こそが、堀監督のエッセンスであろう。実際、前半5分にFC東京のMF米本拓司が左サイドを突破した場面では、自陣ペナルティーエリア付近に7人もの浦和選手が素早く帰陣していた。それにより瞬時に守備ブロックを形成して、浦和はFC東京の攻撃をやり過ごす。そこから試合終了まで、状況に応じてブロックを築く守備は見られたが、ペトロヴィッチ監督が率いていた以前の浦和ならば想像もできなかった試みである。

 前半17分にFW興梠慎三が先制点を奪った浦和だったが、5分後の前半22分、大久保に右サイドの裏へと走るDF室屋成へのパスを通され、その折り返しをMF橋本拳人に決められた。互いに3バックを用い、高い位置を取るウィングバックが攻撃において重要な役割を担う両者だが、まさにFC東京が意図していたように逆サイドをうまく使われての失点だった。

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