エスパルスの未来が変わった。若手のゴールで首位セレッソに逆転勝ち

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 痛快極まりない首位叩きだった。

 J1第21節、清水エスパルスvsセレッソ大阪。消化試合数に差があるため、暫定の順位とはいえ、前節終了時点で首位に立つセレッソが、前半のうちにセットプレーで効率よく2点を奪ったときには、早くも勝負あったかに思われた。

 ところが後半、首位セレッソに勝ち点22差をつけられ、12位に低迷する清水が3点を奪い返す。1点を返すごとにボルテージが上がるホームの大声援に後押しされ、攻勢に試合を進めた末の大逆転勝利だった。

「前半のゲーム運びは、中盤を取れていた(支配できていた)ので悪くはなかった」

 清水の小林伸二監督がそう振り返ったように、2点のビハインドで試合を折り返したとはいえ、内容的に言えば、むしろ清水がセレッソを上回っていた。

 セレッソはボールを保持することはできても、清水陣内に入るとノッキングが目立った。事実、流れのなかからほとんどチャンスは生まれていない。対して、清水は中盤でボールを奪うと、テンポよくパスをつなぎ、セレッソゴールに迫っていた。

 にもかかわらず、前半のスコアは0-2。小林監督が続ける。

「せっかくアタッキングサードまでボールを丁寧に運んでも、そこからノーリスクでプレーしてしまう。そこでボールを失っても怖くない(カウンターを受ける心配はない)のだから、もっとリスクを負って攻めればいいのに、安全なところにばかりポジションを取るから相手も守りやすい。ハーフタイムに、選手には『もっと勇気を出してやろう』と話した」

 こうして、後半に演じられることになった大逆転劇。先鋒役を務めたのは左サイドのふたり、20歳のDF松原后(こう)と22歳のMF金子翔太だった。

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