左利きの左SBが必要。福田正博が
解説する「利き足」で生じるリスク (2ページ目)
基本的に、左利きの選手は左サイドで起用されることが多いが、アタッカーのポジションでは左右を入れ替えるケースもある。
左利きの選手が右サイドで起用された場合、縦に抜け出した時に右足でクロスを上げなくてはならないことが弱みになる。左足で蹴るには切り返さなければならず、そのわずかな時間でDFに間合いを詰められてしまう。一方で、右サイドからゴール前にカットインした際には、利き足の左足を最大限に活かすことができる。
その代表例がメッシだ。右サイドからゴール前に進入し、そのままの流れで左足から強烈なシュートを放つ。相手チームにメッシのようなアタッカーがいる場合は、守備側もDFの左右を入れ替えることもある。実際に、レアル・マドリード時代のジョゼ・モウリーニョ監督は、メッシ対策として左SBにあえて右利きの選手を置いた。左SBが左利きだと、メッシがカットインしてきた時に得意ではない右足で対応することになってしまうからだ。
ただし、これはメッシというスペシャルな選手を擁するチームに対しての策であって、やはりSBには、右には右利き、左には左利きの選手を据えるのが一般的だ。その理由として、ライン際でボールを受けた時、対峙する相手のプレッシャーを自分の体でブロックできることが挙げられる。
2 / 4