ホームで強いジュビロ磐田。名波浩監督に聞くと「俊輔効果」と答えた (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

――第18節終了時点で総失点15は、横浜F・マリノスと並んでJ1最少です。

「それも、出来すぎでしょうね。公言していた目標は得失点差0以上でしたから(現在の得失点差はプラス10)。失点が少なければ、自ずとプラスが増えていくだろうと思っていたけれど、ここまでやれるとは思っていませんでした。これはもう、選手の努力に尽きますよね。試合後の選手インタビューをよく見るんですけど、『僕たちは監督がいつも言っていることをやっているだけ』と話しているのを聞くと、自分がずっと言ってきたことが頭に入っていて、それをやってくれているんだな、と。それについては、頭が下がる思いだし、よくやってくれていると思います」

――名波監督は試合後の記者会見でも、ボールへのアプローチのアグレッシブさ、横のスライドや縦のマークの受け渡しといったことについて、選手を称えることが多いですね。

「うちの選手たちは、仮に深いエリアに入られたとしても、ボールアプローチの意識がすごく高いから、いいクロスを簡単に上げさせていない。相手選手が一度切り返してくれれば、そのままスパンと入れられるより、1、2秒余計に守備の準備をする時間を稼げますし、切り返しで(対応していた選手がかわされて)深く入られたら怖いけれど、その1、2秒の間に、隣のポジションの選手がズレてきたり、ゴール前の準備ができたりしますから。そういう相乗効果があるから失点を減らせているんだと思います。普段から1対1や2対2の練習のときには、『もっとアプローチを寄せろ』『もう一歩寄せろ』『あと1m寄せろ』と口酸っぱく言っている。ボールに対して(アプローチに)行き切るシーンは増えてきたと思います」

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