ホームで強いジュビロ磐田。
名波浩監督に聞くと「俊輔効果」と答えた (2ページ目)
――しかも、今季はホームゲームですでに5勝を挙げています。1シーズンで3勝しかできなかった昨季とは大きな違いです。
「昨季はあれだけ勝てなかったのにね(苦笑)。そこは"俊輔効果(今季、中村俊輔が横浜F・マリノスから移籍加入)"が大きいと思うんですけど、毎試合チケットがほぼ完売で、満員のお客さんがエンターテインメントとしてのサッカーを楽しんでいるというか、もちろん勝敗にこだわりながらも、ワンプレーごとのダイナミックさだったり、繊細さだったりを見逃さない歓声というものを聞いていると、スタンドの雰囲気も昨季とは違うなというのを感じています」
今季のホームゲームは常に満員の観衆でスタンドが埋まっているジュビロ磐田――中村選手の加入が、スタンドの雰囲気までも変えた、と。
「特にそれを感じたのは、第16節のFC東京戦(2-0)ですね。1-0でリードしていて、(68分に)FWアダイウトンがシュートをバーに当てたシーンがあったんですけど、その辺りから俊輔がちょっと"遊びだした"んです。前向きでパスを受けて、相手が寄せてきたらヒールキックを使ったり、パス交換で抜け出してループシュートを放ったり。それを見ていて、こういうプレーこそ、ジュビロが求めていたものなんじゃないかな、と自分も気づかされた感じがありました。その結果が、スタンドのお客さんもノッてきたなかでの完封勝ちにつながりましたからね。
実はあの試合、俊輔は肉離れの不安があったので、もっと早く代えるつもりだったんです。でも、足もとに不安を感じていないから、あんなプレーができるわけで、せっかく気持ちよく遊んでいるときに代える必要もないな、と。結局、86分まで引っ張ってしまい、俊輔にはちょっと悪かったなと思いますけどね」
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