J3に降格したチームがハマる
底なし沼の正体。北九州は抜け出せるか (3ページ目)
「決して負けられない」
その心理は失敗への恐怖に直結し、大胆さや冷静さを欠くことになる。切迫した思いこそが、下に引きずられる引力の正体なのかもしれない。これは何もJ3だけでなく、名門と言われながらJ2からJ1に戻れないクラブにも当てはまるだろう。
クラブは生き物で、勢いが出るものだ。
今シーズンのJ3も、首位に立っているのはJFLから昇格したブラウブリッツ秋田である。同じくアスルクラロ沼津もリーグ最多得点で勢いを感じさせ、天皇杯ではJ2京都サンガを撃破し、J1横浜F・マリノスに食い下がるなど存在感を見せている。一方、"降格組"の富山、栃木は昇格圏内にいるものの、鳥取は下位に沈んでいる。
では、北九州は勢いをつかめるか。GK山岸範宏、FW平井将生のように、A代表や年代別での日本代表歴のある選手も擁する。この日、決勝点を叩き込んだ池本友樹は、J3得点王争いで2位につけている。J3最高の戦力を揃えたと言っていい。今のところ思うような結果がついてきていないが、もし苦しい戦いを勝ち抜くことができたら──。
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