W杯出場の決め手に、福田正博が
ハリル監督に求める岡崎慎司の起用法 (4ページ目)
日本は先制点を奪った後に相手に押し込まれる展開になったが、それは守備陣に「失点を防ごう」という心理が働いたことが原因だろう。相手の勢いを押し返すには、相手以上の勢いでDFラインが「前に」出なければいけない。例えるなら、大相撲の立ち合いのようなもの。しかし、日本はイラク以上のパワーを出すことができず、守備に追われる時間が長くなってしまった。
川島がビッグセーブで失点を防いだといったシーンはなかったように、ピンチらしいピンチがあったわけではない。前後半で共に2、3回はサイドからチャンスを作られたが、DFが崩されたわけではなかった。だが、相手がラフに放り込んでくるロングボールに対してDFラインが下がり、セカンドボールを拾われたことで徐々に苦しくなっていった。
残るオーストラリア戦、サウジアラビア戦でも、同様の展開になることは十分に考えられる。押し込まれた時は失点を防ぐために守るだけではなく、パワーをかけて「前に出る」ことを強く意識してほしい。
失点シーンに関しても、完全に崩されたわけではない。GKの川島にボールを取らせるという吉田麻也の判断は速く、相手の進入をしっかりブロックしていた。ただ、ひとつだけ吉田がミスをしたのは、死角から他の選手が現れることを想定できていなかったことだろう。そこを把握できていれば、判断もクリアに変わっていたかもしれない。
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