大宮が最下位脱出。新監督が見せた「降格圏でも勇敢に戦うサッカー」 (4ページ目)
同点ゴールは、"ボールプレー追求の結晶"と言えるだろう。イニシアチブをとって戦う、そのプレーモデルは示した。例えばアンカーシステムは、相手の攻撃を受ける、という受け身ではなく、迅速にボールをつなげ、前に手数を掛け、攻撃で圧力をかける、という能動的発想だろう。それは降格圏のチームとしては勇敢な姿勢で、3倍近い13本のシュートを放った。あとは精度が問題になる。
一方で残留という目標に向けては、現実的に勝ち点を稼がなくてはならない。
「監督が代わったとき、選手は200%の力を出す」(鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督)
勢いのある今だからこそ、大宮はプレーモデルを確立し、ポイントを勝ち取らねばならない。やがて"日常"は戻ってくる。もともと負けが込んでいたチームは、一度でも負ければブレーキがかかるだろう。自身に対し、疑心暗鬼になるからだ。
「勝ち点1は残念。選手たちのポテンシャルはあるので。次の試合もしっかり戦いたい」
伊藤監督は背筋を伸ばして言った。
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