気持ちがバラバラ攻と守。崩壊寸前のアルビレックスに打つ手はあるか (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 だが、傍から見ている以上に、新潟は1失点で大きなダメージを負っていた。自分たちでも気づいていた問題点だっただけに、そこから破綻したショックは相当に大きかった。センターバックのDF富澤清太郎が語る。

「チームとして話し合ってきたなかでの1失点目。メンタル的にきた選手が多かった。(高い位置から奪いに)いくのか、いかないのかを話してきた分、(そこが中途半端になって失点したことに)ダメージがあった」

 すっかり受け身に回ってしまった新潟は、「気持ちの部分が弱くなり、チームとして強さを出せなかった」(富澤)

 終わってみれば、3失点。敵将の「得点したことで、(それまで自信がなかった)選手たちに思い切ってやれるところが出てきた」という言葉が表すように、むしろ自ら率先して川崎のよさを引き出すかのような試合展開にしてしまったのでは、当然の結末だった。

 ルヴァンカップ第3節(4月26日)の横浜F・マリノス戦(1-4)を含めて、失点ばかりを増やしての4連敗に、鈴木は「意思疎通ができていない。もっと話し合っていかないといけない」と、悔しさをにじませる。

 だが、これだけ結果が出ないと、点を取りたい前線と、まずは失点したくないDFラインとで、さらに気持ちが乖離(かいり)しかねない。結果が出ないことで内容がどんどん悪くなってしまう悪循環に、新潟はすでに陥り始めている。

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