時間を操る天才パサー、サガン鎌田大地は
フィニッシャーに変身するか (3ページ目)
「大地は不思議とパスが通る。間合いがいいと言うんですかね。(星稜高時代に)本田(圭佑)を見たとき以上のインパクトです」
本田と高校、五輪、代表でともに戦っている鳥栖のエース、FW豊田陽平は、鎌田がデビューしたときにそう証言している。
そして鎌田は、昨シーズンからマッシモ・フィッカデンティ監督が率いる鳥栖で、ファンタジスタとして殻を破ることに挑戦している。
「2トップを追い越して、ゴールのポジションに積極的に入って、得点を増やせ」
フィッカデンティ監督は、鎌田にそう要求。パサーというよりも、フィニッシャーとしての役割も求めているのだ。
鎌田にとって、それは簡単ではない挑戦だろう。
実際、昨シーズン前半は迷いからか、本来の輝きが消えていた。求められたゴールも0だった。しかし、6月以降は7得点を記録。今シーズンはまだ1得点にとどまっているが、存在感は増しつつある。
パスだけでなく、シュートにも卓抜したものを見せる。第5節のFC東京戦で決めたゴール、こぼれ球を押し込んだシーンはイージーに見えるかもしれないが、浮き球をボレーで叩く技術は出色だった。
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