2017.04.27

時間を操る天才パサー、サガン鎌田大地は
フィニッシャーに変身するか

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

シーズン序盤で見つけた「オッ」と思った選手(2)
MF鎌田大地(サガン鳥栖)

「今日の(鎌田)大地はあまりよくなかった」

 J1リーグ第7節のジュビロ磐田戦後、サガン鳥栖の選手たちは口をそろえて言った。

フィニッシャーとしての活躍も期待される鎌田大地 20歳で定位置をつかみ取っているMF鎌田大地に対し、年上のチームメイトが高い要求を突きつける。それは、彼の非凡さを認めているからこそ、だろう。

 現在のJ1リーグにおいて、20歳でチームの主力を担っている選手は他に、MF井手口陽介(ガンバ大阪)、FW鈴木優磨(鹿島アントラーズ)など片手で余るほどしかいない。

 では、鎌田という気鋭の選手の可能性をどこに見いだすべきか?

「プレースピードが思った以上に速い」

 対戦した選手の多くが、そう印象を語っている。その速さは単純な走力よりも、判断、選択の的確さにあるだろう。

 鎌田はプレーのイメージが豊富で、次々に頭に浮かぶ。その中で、敵を欺(あざむ)く一手を迅速に打てる。そのときのスキルも、すこぶる高い。それが、印象として"速さ"につながるのだろう。

 この速さは、練習によって身につけられない。ほとんど天性のものである。トップ下と言われるポジションの選手が持つ特性で、知識の蓄積というよりも芸術的な感性に近い。