福田正博が「久保裕也の台頭と日本代表の年齢バランス」について考える (2ページ目)
この試合で今野が起用されたポジションはインサイドハーフ。4−3−3の中盤で、ボランチの山口蛍の前で、香川と横並びに位置した。今野は持ち味の守備に比重を置き、まずはしっかりと前に向かって相手の攻撃を潰す。そしてボールを奪うなりパスを出して、その勢いに乗って相手ゴール前に攻め込んだことが、攻撃陣の活性化につながった。
これまでの4−2−3−1ではなく、2人のインサイドハーフを置いて攻撃を組み立てたことで、「このポジションに今野ではなく清武を起用して、香川と組み合わせてもよかったのでは」という意見がある。確かに、攻撃力を特長とする清武と香川が共存できれば、ふたりの息の合ったパスワークからチャンスが生まれたかもしれない。
だが、香川と清武をスタメンで使うことは、攻撃の比重が重くなる分、失点のリスクも高まる。勝ち点1差の中に4チームがひしめき、UAE戦に敗れるとW杯出場権争いで後れを取ることになる状況下で、その選択をすることがベストだったとは思えない。今野が中盤でしっかりと守備をし、相手の攻撃の芽を摘んだからこそ、UAE戦は2−0で勝利できたといえる。
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