福田正博が「久保裕也の台頭と日本代表の年齢バランス」について考える (3ページ目)
一方で、攻撃陣で抜群の働きを見せたのが23歳の久保裕也だ。代表初先発となった昨年11月のサウジアラビア戦は、試合中に負ったケガの影響もあって本領を発揮できずにピッチを去ったが、今回の2試合では2ゴール3アシスト。日本代表の全6得点のほぼすべてに絡む活躍で、今年1月末に移籍したベルギーリーグのヘントで7試合5ゴールを挙げる好調ぶりを代表でも示してくれた。
彼のよさは、プレーの決断が速いことにある。ボールを受けてから、どういったプレーをするかに迷いがない。ゴールを狙える場所でボールを受けたら、最初の選択肢がシュートで、無理ならパス。サイドで受けたらクロス。そういったシンプルな考えが、彼のプレーからは伝わってくる。実際に、タイ戦後に本人に聞いてみたところ、「シンプルなプレーを心がけている」という答えが返ってきた。
チームメイトも久保の次のプレーを予測しやすいため、フォローやサポートに動きやすいというメリットがある。クラブチームと違い、一緒に活動できる時間が限られる代表チームでは、久保のように新たに招集された選手が周囲と連携を深める時間は短い。そのため、久保がわかりやすいプレーをすることで周囲が動きやすくなり、チームにいい連動性が生まれた。
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