「風間革命」は終わった。新生フロンターレが歩む「実務」のサッカー
「人生で初めて、監督が話している言葉をメモしようと思った」
かつて大久保嘉人はそう言って、風間八宏監督がもたらした「革命」の断片を語っている。
風間監督は川崎フロンターレを4年間率い、昨シーズン限りで退任した。天才的なサッカー論が選手に与えた影響は計り知れない。3年連続得点王に輝いた大久保だけでなく、昨シーズンMVPの中村憲剛、J1日本人得点王の小林悠は覚醒したようなプレーを見せ、大島僚太、奈良竜樹、三好康児ら若手は目覚め、谷口彰悟、田坂祐介は導きを与えられた。
ボールが走り、プレーが渦になる。果てしなく追い求めたボールゲームの中、多くの選手が成長を示した。
しかし、彼らは無冠だった。
今シーズンからは鬼木達(とおる)ヘッドコーチが監督に就任。風間監督もエース大久保もいない。開幕戦は大宮アルディージャに0-2で勝利、第2節はサガン鳥栖と1ー1で引き分けた。
新チームは、革命半ばだった風間フロンターレを超えられるのか?
柏戦で決勝ゴールを決めた中村憲剛(川崎F) 3月10日、等々力競技場。J1リーグ第3節、川崎は本拠地に柏レイソルを迎えている。
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