アントラーズの快進撃は
なぜ起きたのか。
小笠原満男がその過程を語る (2ページ目)
その間にはクラブW杯も戦ったけど、決勝では勝てなかったですし、思い返せばアップダウンの激しいシーズンでしたね。正直、(最後は)なんとなく勝っていっちゃった感じというか。決して手放しでは喜べない。ひとつ、ひとつの試合の内容をしっかり見ていくと、失点してもおかしくないシーンもいっぱいありましたから」
小笠原が言う「なんとなく勝っていった」という感覚は、優勝したファーストステージにも言えることだという。
「優勝はしたけど、ギリギリでしたからね。自分たちに力があったかと言ったら、そうではなかった。周りが負けていって、最後にウチが勝った、というだけですから。周りが勝っていれば、オレらの優勝もなかったわけで。勝つ(優勝する)ならやっぱり、ぶっちぎりで勝ちたいなって思いますよね。
今季からはチャンピオンシップがなくなって、年間を通しての実力が重要視されるようになるし、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)にしても、1敗だったり、1勝だったりがより重さを増してくる。そこを勝ち抜いていくためには、1年間を通して、本当に安定した力がないと勝っていけないな、と思っています」
アントラーズにとって実に7年ぶりとなったJ1リーグのタイトル獲得。しかし、小笠原には、悲願や歓喜というよりも、どこか物足りなさのほうが強く感じられているようだった。
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