俊輔の移籍は理解できても、マリノスで起きていることは理解不能だ (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 混乱の要因は明白だ。

「クラブの評価、査定が納得いかない」

 選手はそう言って、不信感を募らせる。

 現場での強化に、まるで筋が通っていない。たとえば、ドルが就任する直前、ブラジル人FWカイケの獲得が発表されている。交渉そのものは前任者が行なっていたはずだが、無関係のはずはない。半年で北欧3ヵ国を半年で転々とし、順応性が明らかに欠けるカイケを、「プレービデオのみで採用した」と言われる。年俸1億~1億5000万円と言われるFWを、だ。

 その結果、カイケはわずか4得点にとどまり、ポストプレーに至っては失笑を浴びた。同時に、素行問題も噴出。受け入れ先探しは難航し、サントス(ブラジル)と期限付き移籍合意も、年俸差額は横浜FMが肩代わりする可能性が高い。

 強化の不明が、舵取りを誤らせている。

「主軸DF、中澤佑二に年俸半減を提示」

 今冬に世間を騒がしたニュースは、評価基準の杜撰(ずさん)さを象徴していた。全試合フルタイムで出場した選手の査定としては噴飯ものだ。38歳という年齢も、単年契約なら言い訳にならない。クラブの資金不足というなら、カイケの契約がちらつく。結局はクラブが年俸を引き上げており、「約25%減で落ち着くのでは」と言われるが......。

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