明暗分けた優勝候補。青森山田は苦杯をなめた東福岡を教訓にできるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 値千金の決勝ゴールは後半の66分、CKから、しかもラグビーのラックのごとく、大混戦から強引に押し込むようにして生まれた。お世辞にも華麗とは言えないゴールだったが、試合の流れから考えれば、東海大仰星に入るべくして入った先取点だった。

 その後は再び東福岡が攻勢に立つものの、焦りばかりが目立ち、チャンスにならない。前回王者はさしたる反攻も見せられないまま、試合終了のホイッスルを聞いた。

 0-1。連覇の夢は砕け散った。

優勝候補の東福岡が「伏兵」東海大仰星の一撃に屈した優勝候補の東福岡が「伏兵」東海大仰星の一撃に屈した 攻撃の中心を担うMF藤川虎太朗(3年)が「なかなかボールをコントロールできず、自分自身イライラしていた」と振り返ったように、東福岡は歯車のズレを感じながら、それを最後まで修正できなかった。

 同じような悪い流れが、これまでの試合になかったわけではない。2、3回戦でも、攻撃が停滞することは少なくなかった。それでも東福岡はどこかでゴールを決めてきた。結果として大事には至らなかった。

 だが、この日は違った。いずれ入るはずの1点は最後まで入らなかった。悔しさを噛み殺し、藤川が続ける。

「最後まで負けるとは思っていなかった。自分たちのサッカーをやれば、自ずと結果は出ると思っていた。(相手が長いボールを)蹴ってくる攻撃に対し、ディフェンスは対応が難しかったと思う。僕らが点を取る場面を作れればよかったけど......」

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