スペインの目利きが語る「鹿島の選手でリーガにも通用するのは誰か」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

スペイン人指導者が見た鹿島アントラーズ(3)

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「両足で同じようにボールを扱える。その技量の高さが、なにより鹿島の選手の特長だろう。それは世界中どこに行ってもアドバンテージとなる」

 ミケル・エチャリ(バスク代表監督)はそう言って、クラブワールドカップで快進撃を見せた鹿島アントラーズの選手を評価した。エチャリは過去にホセバ・エチェベリア、ハビエル・デ・ペドロ、アグスティン・アランサバル、シャビ・アロンソなど、スペインが世界に誇る名選手を発掘、育成してきた。その目利きぶりは、海外でも「ミスタ・パーフェクト」の異名を取るほどだ。

「とても意外だったのは、これだけ有能な選手がいながら、現在の日本代表チームで常時出場している選手がいないこと。私が代表戦で見落としているのか? それとも、この大会だけ鹿島の選手はよかったということか? 鹿島の選手の技術・戦術レベルは総じて高いように見えるが......」

 ではエチャリにとって、世界最高峰のリーガエスパニョーラで通用する鹿島の選手は誰なのだろうか?

MFとして技術、戦術ともに高く評価された遠藤康MFとして技術、戦術ともに高く評価された遠藤康「リーガで戦うことを想定した場合、どうしてもフィジカルの問題は出てくる。球際での衝突は激しく、そのインテンシティの中でプレーするには、戦闘力も不可欠になる。例えばボランチの選手はどれだけボールスキルが高くても、高さがないだけで、そこを付け狙われる。ポジションが下がれば下がるほど、特に中央ではフィジカルの部分は出てくるだろう。

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