なぜ大物が日本に? 東京ヴェルディ、ロティーナ新監督の抱える事情 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 当然、ヴェルディでもその手腕が期待されている。

 今シーズンのヴェルディは61失点(22チーム中5番目に多い)。守備の立て直しが急務になる。ロティーナはPONER AUTOBUS(バスを置く)という、5バックの前に4人を並べてバリケードを作る、"超"がつく守備戦術を採用することもある。1対1での激しい守備だけでなく、カバーリングの意識の徹底、攻守の切り替えでの集中力とプレー精度を求める。

 基本は、規律や秩序をベースにしたリアクション戦術だろう。

 攻撃はカウンター主体で、サイドアタックが鍵になるか。過去に成功したチームでは、ジョン・アロイージ、サボ・ミロシェビッチ、ルイス・ガルシア、ラサドなど、大きくて横からのボールに強いFWが台頭している。ヴェルディが伝統としてきたショートパスとは、明らかに毛色が違う。スペイン人監督といっても、「バルサのようなスペクタクルなサッカーを!」と期待するのはお門違い。「つまらないが、堅実で論理的」という戦い方になるだろう。

 最初は、摩擦があるかもしれない。

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