一発勝負のCS準決勝。
川崎Fと鹿島が抱えるそれぞれの不安材料 (2ページ目)
同様のレギュレーションで行なわれるJ2の昇格プレーオフの歴史を振り返っても、失うもののない下位チームが上位チームを撃破するケースは決して珍しくない。川崎Fとすれば、持ち味である攻撃性を保てるかどうかが、この準決勝の最大のポイントとなるはずだ。
「引き分け狙いの戦いができるほど、器用なチームではない」と語るのは、キャプテンのMF中村憲剛。たしかに、今季の川崎Fは守備の安定性が高まったとはいえ、そのスタイルやタレントを踏まえれば、撃ち合いこそが彼らの真骨頂。そうした展開に持ち込めれば、勝機はグッと高まるだろう。
もっとも、シーズンを通して順調に勝ち点を積み重ねて年間2位を手にした川崎Fだが、大事な試合での勝負弱さは、相変わらずだった。1stステージでは、勝てば優勝を決められた第16節のアビスパ福岡戦で引き分け。首位から転落して鹿島に優勝を譲った。同じく、勝利すれば年間勝ち点1位となれた2ndステージの最終節でも2点のリードを守り切れず、G大阪に逆転負け。浦和に勝ち点2及ばず、2位に終わっている。
また、ケガ人の多さも不安材料だ。FW大久保嘉人と並び、今季のチーム得点王となったFW小林悠は左ハムストリング肉離れでCS準決勝の欠場が濃厚。中村とMF大島僚太もケガから復帰したばかりとあって、状態は万全ではないだろう。シーズン終盤に結果を残したFW三好康児、MF長谷川竜也ら若手の台頭は目覚ましいが、彼らがこの大舞台で普段どおりのパフォーマンスができるかは未知数である。
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