単に残留しただけのアルビレックス新潟。これでは降格の日も遠くない (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 日刊スポーツ/アフロ●撮影 photo by Nikkan sports/AFLO

 しかも、最後はリーグ戦3連敗でフィニッシュ。年間順位は昨季と同じ15位ながら、ファーストステージの17位から後半巻き返した昨季に比べると、締めくくりの印象は非常に悪い。いかにJ1残留したとはいえ、選手の顔に笑顔がないのも当然だった。FW田中達也が語る。

「1年を通して勝ち点をなかなかか取れなかった。応援してくれる人に対して申し訳なかった」

 新潟は2004年にJ1へ初昇格して以来、一度もJ2へ降格していない。毎年のように主力を引き抜かれながら、それでもJ1に残り続けている健闘は称賛に値する。

 しかし、最近5季でこれが3度目の15位。苦い経験も教訓とはなりえず、懲(こ)りずに同じことを繰り返している印象は拭えない。

 それでもクラブが明確な舵取りをしたうえで、強化の過程においての必要な痛みとしてこの順位になっているのなら仕方がない。あるいは、なりふり構わず、とにかくJ1残留だけを目指すならこれでもいいが、監督人事を見る限り、どうやらそうとも思えない。

 昨季15位を受けて、今季は吉田達磨監督が就任。吉田監督を否定するつもりはまったくないが、あれだけポゼッションに傾倒したサッカーをやろうと思えば、ある程度時間はかかる。それは吉田監督が昨季率いた柏レイソル(優勝候補にも挙げられながら、年間10位に終わった)を見てもわかることだ。

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