単に残留しただけのアルビレックス新潟。これでは降格の日も遠くない
シーズン前の目標はさておき、この試合での目標に関して言えば、無事に達成である。
だがしかし、試合を終えた選手たちの表情は暗く、話す声は細かった。
J1セカンドステージ最終節(第17節)を前に、アルビレックス新潟は瀬戸際に立たされていた。前節終了時点で新潟はJ1残留ギリギリの15位にはいたが、勝ち点はJ2降格となる16位の名古屋グランパスと同じ30。得失点差3の差で、どうにか残留圏内に踏みとどまっている状態だった。
つまり、新潟は最終節のサンフレッチェ広島戦に勝ったとしても、名古屋が湘南ベルマーレ戦に大勝するようなことがあれば、順位が入れ替わる危険性もあった。
名古屋、あるいは同様にJ2降格の可能性を残していた14位ヴァンフォーレ甲府、13位ジュビロ磐田の試合はどうすることもできない以上、新潟はとにかく目の前の試合に勝って、朗報を待つしかない。2万7000人がつめかけたデンカビッグスワンスタジアムは、試合前から悲壮な決意がみなぎっていた。
ところが、だ。張りつめた空気に満ちて始まった試合は、瞬く間に弛緩(しかん)する。
同時刻にキックオフとなった試合で、開始からわずか6分、名古屋が湘南に先制を許したからである。
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