浦和に完敗してもなお、サガン鳥栖のイタリア人指揮官は自信満々

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Yamazoe Toshio

試合後、金民友と握手をかわす豊田陽平(サガン鳥栖)試合後、金民友と握手をかわす豊田陽平(サガン鳥栖)「前半の2失点目が勝負を分けましたね」

 サガン鳥栖のエースFWである豊田陽平は、試合後にその胸の内を明かしている。セカンドステージ優勝争いの直接対決。首位、川崎フロンターレと同勝ち点の浦和レッズとの一戦は、敵地で0-2と敗れている。

「前半はどうにか相手を焦らせて、後半に勝負、と狙っていたんですが。結局、耐えられませんでした。守備の強固さはそれほど感じなかったので、0-1のままならなんとか動かせたかもしれませんが」

 鳥栖はこの黒星で6位と大きく後退した。しかし首位で並ぶ川崎、浦和と勝ち点差は4。ぎりぎり射程距離圏内と言えるだろう。

「1点取られるまでは、拮抗した試合展開でした」

 鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督が語ったように、用意した戦略は功を奏していた。前からの激しい守備で、浦和の持ち味を出させない。次第に相手のリズムになりかけたものの、前線の豊田が接触プレーで倒れてうまく「間」を変える。タイムラグの後、森脇良太が処理を誤ったボールを、背番号11は直接シュートに持ち込み、GK西川周作の肝を冷やしている。

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