【恩田社長の600日】Jリーグクラブの仕事はサッカーだけではない (3ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 活動には、岐阜県サッカー協会より委託を受けて、幼稚園・保育園でサッカー指導をさせていただくものもあります。FC岐阜の事務所近隣はもちろんのこと、事務所から100km以上離れた、飛騨・高山地域まで足を伸ばして、園児と一緒にサッカーを楽しみます。私も何度か参加しましたが、園庭を元気に走り回っている子供たちを見ると、こちらの方が元気をもらえます。

 保育士さんに話を伺うと、園児の中にはサッカーしたことを、すごく鮮明に覚えている子がいて、FC岐阜のことをいつも話しているということです。指導しているのは、クラブが開校している、小学生向けのサッカースクールのコーチ陣ですが、そんなふうに言われるのは、指導者冥利に尽きると思います。

 もちろん、活動はこれだけではなく、選手も参加する親子向けのサッカー教室、地域のお祭りの賑やかし、募金活動への参加、地域の名産品のPR協力、企業・学校訪問、職場体験の受け入れなど多岐にわたっています。

 社長在任1年目の2014年、私は岐阜県内42市町村すべての場所での活動開催にこだわり、達成しました。岐阜県全域での活動にどうしてもしたかったのです。FC岐阜は岐阜県をひとつにする使命を背負っています。だからこそ、こういった草の根の活動を、まず自分たちから出て行って、FC岐阜の名前だけでも知ってもらうところから始めるべきと考えていました。

 また、私は社長在任1年目にすべての市町村の首長様にご挨拶に伺いました。その席で、当該市町村での活動実績をお話しすると、「そうなんだ」と首長まで活動が知られていないことが何度かありました。せっかくの取り組みが伝わっていないのは、もったいない限りでした。

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