豊田陽平が語る「イタリア人監督の要求とサガン鳥栖の変化」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 2016年Jリーグ、ファーストステージ。豊田陽平(31歳)は5得点を挙げている。チーム総得点が10点だったことを考えれば、多いかもしれない。しかし過去4シーズン連続で15得点以上を記録してきたゴールゲッターとしては、少ないと言えるだろう。

 石川県出身のストライカーは、ゴールによって鳥栖を牽引し、ゴールによって日本代表にまで入った男である。

「数字にはこだわりはあります」

 豊田は毅然として言う。

「で も、逃げるような言い方は嫌ですが、自分は一人で打開するようなFWではない。チャンスを託してもらってナンボというか。実績は残してきているので、そこ を信じて配球してくれないと厳しい。クロスの本数を見ればわかると思うんですが、失敗する怖さか、なかなかボールが上がってきていません。自分はファーで 受けるのが強みとしてありますが、今のところはニアで潰れて、というところしか手がない状況なんで」

 今シーズン、鳥栖は水沼宏太、藤田直之という二人の出し手を放出している。

「その穴は、まだ埋めきれていないですね」

 豊田は率直に語った。その一方、マッシモ・フィッカデンティ監督になって、いい兆候も感じていた。

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