遠藤保仁が語るガンバ低迷の理由「選手の考え方にギャップがある」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 最初は、右サイドハーフに配置されたが、サイドで起用するにはあまりにも守備が脆弱だった。ガンバのサイドは、攻守両面で果たすべき役割が多く、ハードワークが求められる。しかし、左サイドの宇佐美は守備が苦手で決して運動量が多いわけではない。そのうえ、右サイドのアデミウソンまでも同じタイプとなれば、堅守から素早く攻めるガンバのサッカーが成り立たなくなってしまう。

 そのため、アデミウソンはトップ下、センターFWなどで起用されたが、それらのポジションでもフィットできなかった。最終的にスタメン出場は11試合。そのうちフル出場は1試合のみで、得点も4ゴールにとどまった。

 新戦力には攻撃面での幅と質のプラス効果が期待されたが、結局それは望めなかった。攻撃のバリエーションがなくなって単純化したせいか、点も取れなくなった。4月中旬から5月の始めにかけての、柏レイソル(0-1)、アビスパ福岡(1-0)、川崎フロンターレ(0-1)、アルビレックス新潟(0-0)との4連戦では、わずか1点しか奪えず、得点力不足に苦しんだ。

 遠藤は言う。

「点が取れなかったのは、アデ(アデミウソン)がどうこうとか個人の責任じゃなく、(チームとしての)攻撃そのものが悪かったから。うちは、もともと攻撃のバリエーションが少ない。それは昨年もそうだし、三冠をとったときもそうだったんですよ。勝っていたから何も言われなかっただけで、攻撃は前へ、前へ急ぐ感じで単調になっていた。パスを回して、ゆっくり余裕をもってやるとか、(緩急を)うまく使い分けることができていなかった」

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