昇格1年目で成功する条件。今季の大宮アルディージャは本物か? (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei  photo by Getty Images

 もちろん、J2を経験したことのメリットもあっただろう。ひとつは、決してレベルの高くないリーグで、能動的に自らのスタイルの熟成を図れること。たとえば、2008年にJ2を戦った広島はミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもと、最終ラインからボールをつなぐポゼッションスタイルに磨きをかけた。今も採用される3−4−2−1システムは、この年に確立されたものだ。昨年の湘南ベルマーレも前年にJ2で培った素早いトランジションと、縦に鋭く仕掛けるアグレッシブなスタイルで旋風を巻き起こしたのは、記憶に新しい。

 もうひとつは、いわゆる"勝ちグセ"を身につけられることだろう。J1とはレベルが違うとはいえ、勝つための方法論は、ステージが変わってもさほど変わらない。どこで圧力をかけ、どこで落ち着かせ、どこで我慢するのか――。勝利を重ねるなかで、勝つための最適解を得ていったことは想像に難くない。

 図らずも落ちてしまったJ2で、このふたつの要素を手にし、翌年のJ1でそれを生かしたのが、広島であり、柏であり、G大阪だった。

 今季のJ1でいえば、大宮アルディージャがこのケースに当てはまる。2014年に降格の屈辱を味わいながらも、J2で戦った2015年は持ち前の堅守にパススタイルを上積みし、他を圧倒する勢いで勝ち点を積み重ね、1年でのJ1復帰を成し遂げている。

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