昇格1年目で成功する条件。今季の大宮アルディージャは本物か?
J2から昇格1年目のチームがJ1の舞台でいきなり躍進を遂げたケースは、2009年のサンフレッチェ広島が初めてだろう。前年のJ2を圧倒的な強さで制し、その勢いのまま迎えたJ1復帰シーズンは、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、ガンバ大阪に次いで4位。翌年のACL出場権を手にしている。
J1復帰1年目の1stステージで5位に食い込む大宮アルディージャ 翌2010年にはセレッソ大阪が3位と広島を上回る成績を残し、2011年には柏レイソルが昇格1年目でJ1制覇という偉業を成し遂げた。2014年にも同様に、G大阪がJ1のタイトルを獲得。しかも、ナビスコカップと天皇杯も制し、「3冠達成」というおまけ付きである。
こうした事象は、Jリーグ特有のものだろう。その理由としては、リーグ全体の実力差が小さいことが挙げられる。ちょっとした勢いや運によって順位は大きく変動し、毎年のように優勝チームが変わるのも、その事実を表している。
もっとも、3シーズンをJ2で過ごしていた2010年のC大阪を除く3チームは、1年でJ1に復帰したクラブである。つまり、もともとJ1レベルの実力を備えていたという見方もできる。むしろ、J2に落ちたことが意外であり、G大阪に至っては2008年にアジアを制したこともある名門だ。持てる実力を十分に発揮しさえすれば、昇格1年目のリーグ制覇は決して驚くべき結果ではなかったのかもしれない。
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