昇格1年目で成功する条件。今季の大宮アルディージャは本物か? (3ページ目)
実際に今季の大宮は、躍進の予感を十分に漂わせている。開幕から上位争いを演じ、1stステージ第16節を終えて7勝5分4敗・勝ち点26で5位につける。果たして、その強さは本物か――。引き分けに終わった1stステージ第16節の横浜F・マリノス戦でも、その一端は垣間見えた。
「内容的には乏しかった」とMF家長昭博が振り返ったように、この日の大宮のパフォーマンスはたしかによかったとは言えない。主導権を握ったのは横浜FMのほうで、大宮は耐えしのぐ時間が続いた。GK加藤順大のハイパフォーマンスがなければ、敗れていてもおかしくはなかった。
それでも、押し込まれながらも失点しなかったのは、この守護神の活躍に加え、チーム全体のハードワークがあったからだろう。とりわけ横浜FMのサイド攻撃に対して、両サイドバックだけでなく、横谷繁、沼田圭悟の両サイドハーフはしっかりと戻って対応し、FWマルティノス、MF齋藤学の自由を奪い続けた。両センターバックもクロスボールを確実にはじき返し、決定的なピンチはMF中村俊輔が繰り出すセットプレー以外、さほど作られなかった。
こうして我慢を続けながら、67分に家長の1発が生まれる。終了間際にセットプレーから(すでに中村は交代していたが)同点に追いつかれたのは痛恨だったが、悪いながらも勝ち点1を確保できたのは、2年前の大宮にはなかった要素だったかもしれない。
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