福田正博が考える、五輪代表OA枠の適任者はズバリ「あの選手」 (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLOSPORT

 同時に、U-23代表選手の全員が国際経験を積んだからといって、そのまま日本代表の中核を担えるわけではない。厳しい言い方かもしれないが、五輪代表からステップアップしてすぐに日本代表入りできる選手は限られている。それを踏まえたうえで、次代の日本代表を担うべき才能豊かな選手を、さらに飛躍させるためにOA枠を有効活用すべきだろう。

 そこで、どのポジションに誰を呼ぶかが大きな問題になる。手倉森誠監督が予選から作り上げてきたチームの現状を見て、足りない部分をOA枠で補うことを考えるべきだろう。一方で、仮に希望する23歳以上の選手を招集できないのであれば、OA枠は使わずにU-23の選手だけで臨むべきだと私は思う。

 現在の五輪代表は、故障で何人かの主力選手が離脱している。その中でも穴埋めに苦しみそうなのが室屋成(FC東京)の抜けたサイドバックだ。

 このポジションは五輪代表に限らず、現在の日本サッカーで層が薄い。五輪代表レベルに見合う実力を持つ若手がいないのならば、OA枠を使うべきだろう。

 適任者は、長友佑都(インテル)のほかに思い浮かばない。左右両サイドバックでプレーができて、経験はいまさら語る必要もないほど豊かだ。手倉森監督は対戦相手の特徴によって守備時の決め事を細かく設定するが、そうした戦術理解度の点でも、長友ならば不安はない。

 さらに、長友はピッチに立てない選手の気持ちを理解できることも含め、若い選手たちのメンタル面のサポートという部分でも期待ができる。

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