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レッズ撃破のジュビロ「たまに勝って喜ぶチームになりたくない」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 だが、磐田の選手たちが集中を切らすことはなかった。大井が続ける。

「アウェーだし、引き分けでもいいやと思ってもおかしくなかったが、みんな絶対に勝つんだという気持ちで試合に入り込めていた。下を向くことはなかった」

 磐田の選手たちが、最後まで気持ちを切らさず戦えたことには、開幕戦の不甲斐ない結果(名古屋グランパスに0-1の敗戦)が大きく影響していた。

「常に勝ち点3を狙っているが、開幕戦では“逃げのサッカー”で勝ち点1も取れなかった」

 そう振り返る名波監督は、浦和戦を前にしたミーティングでホワイトボードにあれこれと指示を書いたが、結局はそれを全部消し、ひと言「逃げるな」とだけ書いて、選手を送り出したという。指揮官が語る。

「逃げずに戦った成果が勝ち点3につながってよかったと思うし、次節以降も継続してほしい」

 選手たちも気持ちは同じだった。殊勲の決勝ゴールを決めたジェイは言う。

「開幕戦はハードワークできず、ひどい試合をしてしまった。すべての試合に今日のようなアプローチで臨むべき。選手同士が互いにサポートし合う試合を毎試合やっていきたい」

 磐田にとっては、3年ぶりに戻ってきたJ1での初勝利。名波監督にとっても、監督として初めて味わうJ1勝利である。43歳の若き指揮官が「ここから我々の再スタートなので、気を引き締めてやっていきたい」と語ったように、再出発の第一歩となる記念すべき勝利となったことは間違いない。

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