レッズ阿部勇樹が語るタイトルへの思い「絶対、見返してやる」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「チャレンジと我慢です。ふたつの言葉は、相反するというか、矛盾しているようにも見えますけど、攻撃も守備も、どこでチャレンジして、どこで我慢するのか、表裏一体の見極めが重要。例えば、悪い時間が続いたとき、どこまでが耐える時間なのかを読みながら凌いで、うまく自分たちのペースに持っていかなければいけない。なおかつ、自分たちのよさを出すために、機を見てチャレンジしていくことも必要となる。昨季は、その辺で物足りなさを感じた。

 そういう流れを読んだ試合運びができれば、相手も嫌がると思うし、そうしたプレーをやってこそ、レッズのよさが出ると思うんです。今季は、最初だけ、最後だけってならないように、年間を通してそういう戦い方ができるようにしていきたい」

 昨季はサンフレッチェが、J1が18チームで行なわれるようになった2005年以降、史上最高の勝ち点(74)をマークした。レッズも優勝した2006年と同じ勝ち点72を挙げたが、惜しくも2位に甘んじた。王者への近道となる年間勝ち点1位の座を狙うには、どのくらいの勝ち点が必要だと、阿部は考えているのだろうか。

「勝ち点80までいけば、間違いなく年間勝ち点1位になれると思うけど、現実的には70点以上を目指していく。ただ僕は、レッズの戦い方としては、先のことをあれこれ考えるよりも、目の前の試合をひとつひとつ勝っていくこと、いかにそこで自分たちの力を出し切っていくか、ということに集中したほうがいいと思っています。目標を高く持って、上を見て戦うことも大事だけど、目の前の相手を忘れてはいけないし、先ばかり見てしまうと、下位チームに取りこぼしてしまうこともあるので」

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