2016.02.26

横浜の一等地から河川敷へ。環境激変のF・マリノスがなぜか元気に

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Kyodo News

「見るのが怖くて、マリノスタウンのそばには立ち寄れない」

 横浜F・マリノスの選手やスタッフは寂しさの混じった表情で洩らす。10年近く慣れ親しんだクラブハウスや練習場が解体される。その悔しさは想像するに余りある。みなとみらい地区という一等地に建っていたマリノスタウンは、Jリーグの中でも1、2を争うほど恵まれた施設だった。しかし、年間6億円とも言われる地代はクラブ財政を圧迫していた。

 そこで今シーズンからは本拠地である日産スタジアムに隣接する日産フィールド小机(こづくえ)をメイン練習場にすることになった。ロッカールームは徒歩数分の距離にある日産スタジアムの施設を使用できるが、試合会場にもなるので、そのたびに撤収しなければならない。河川敷の球技場での練習では、あたりで幼稚園児たちが歓声を上げ、犬の散歩で立ち寄る人もいる。ずいぶん牧歌的な風景になった。

2季目を迎えた横浜F・マリノスのモンバエルツ監督(中央)と新加入選手たち だが、ものは考えようである。ファンとの距離が近くなったこと、小机の芝の良さ、浜風がないこと(マリノスタウンは海に近かった)などポジティブな点も少なくない。

「"だから"ダメになったとは言わせない」

 現場は結束を強め、新シーズンに挑もうとしていた。昨季は2年連続の7位と"低迷"。3年前、あと一歩まで近づいた優勝の夢を――。