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また優勝ならず。浦和がタイトルを獲得するためのラストピースは何か

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 2016年元日の天皇杯決勝。今季最後の一冠をかけて争われた初春の大一番は、ガンバ大阪が浦和レッズを2-1で退けて、2連覇を果たした。

パトリックの2ゴールで浦和に勝利したガンバ大阪が天皇杯を制したパトリックの2ゴールで浦和に勝利したガンバ大阪が天皇杯を制した

 今季、J1でもナビスコカップでも準優勝に終わっていたガンバにとっては、"3度目の正直"となった天皇杯制覇である。

 その一方で、浦和はまたしてもタイトル獲得に失敗した。ペトロヴィッチ監督が就任した2012年以降の4シーズン、優勝へあとわずかのところまでは迫るものの、結局ひとつのタイトルも取れていない。DF那須大亮が「勝負強さを磨かないと」語ったように、ここ一番で勝ち切れない状況が続いている。

 今回の天皇杯決勝に関して言えば、不運もあった。攻撃の組み立て役であるMF柏木陽介が、準決勝の柏レイソル戦で負った左ひざの負傷により出場できなかったことだ。柏戦で柏木が負傷交代した後、浦和の攻撃が目に見えて停滞したことを考えれば、彼が欠場することの悪影響は十分に予想できた。

 だが、ペトロヴィッチ監督が「誰かがいなかったからという言い訳はしたくない」と話していたように、浦和は柏木不在の影響を最小限に抑えることができていた。

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