高校サッカー選手権で光った3校に見る「個人技と球際の強さ」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 年末年始恒例の全国高校サッカー選手権大会は1月5日、準々決勝が行なわれ、ベスト4進出の4校が決定した。

 近年はサッカーの普及が進んだ結果、地域間格差は小さくなり、新しい顔ぶれが上位に進出することも多くなった。

 だが、今大会のベスト4はというと、昨年度優勝の星稜(石川県)をはじめ、東福岡(福岡県)、青森山田(青森県)といった全国的に知られた強豪校が名を連ね、初めてベスト4に進出したのは國學院久我山(東京都)だけである。ある意味で、10数年前を思い出させるような大会となっている。

 そんな大会にあっても、地域間格差の縮小とともにこだわりを持ったチーム作りをしている高校が増えていることに変わりはない。独自の特徴を持つ高校が選手権という大舞台に立つケースが増えているのは、ここ数年来続く傾向である。

 その代表例と言えるのが、初のベスト4進出を果たした國學院久我山だろう。

選手権で初の4強入りを果たした國學院久我山選手権で初の4強入りを果たした國學院久我山 國學院久我山は李済華(リ・ジェファ)前監督のもと、個人技術にこだわったチーム作りを続けてきた。今年度から新たに清水恭孝(しみず・やすたか)監督が就任し、李前監督は総監督に立場を変えたが、一貫した指導方針は変わることがない。

 初の選手権ベスト4は、「関東では市立船橋(千葉県)とともに大きな壁だった」(清水監督)という、昨年度の準優勝校でもある前橋育英(群馬県)を破ってのもの。徹底したこだわりが花開いた結果である。

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