反省が前提です。サガン鳥栖・豊田陽平が語る今シーズンの裏側 (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 田村翔/アフロスポーツ●写真

「練習はできていたので、監督の信頼を取り戻すようなプレーを心がけて、やり続けるだけでしたね。試合に出てやれるだけの自信は失わずに持っていましたから、悔しい気持ちはありましたよ。でも、サブという扱いなら、自分の信頼が足りないというだけのこと。僕は我慢して機会を待ち続け、自分の手でつかみ取る、という選手だし、“自分の中にパワーがたまる時期”と捉えていました」

 怪我でもがいたセカンドステージ第3節の新潟戦から第14節の名古屋グランパス戦まで、チームは1勝5敗6分けだった。豊田の先発出場は2試合のみ。第9節のヴィッセル神戸戦は先制点を決めて4年連続15得点の記録を更新したが、チームは1-7と大敗した。やがて年間総合順位は14位と落ち込み、降格圏の松本山雅と勝ち点差5と縮まった。第15節の松本戦は敵地での直接対決、絶対に負けられない試合となる。

 豊田の不在がチームの成績に響いていたことは間違いない。

「松本戦も、練習では試合メンバーでプレーしていたんですが、当日はベンチでした。チームとしては引き分けでも、というところはあったので、“まずは前線から守備をして攻撃をさせない”との意図があったと思います。自分としては我慢でした」

 一進一退が続いていた試合を動かしたのは、後半17分に投入された豊田だった。

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