サンフレッチェ広島の強さは、世界3位に「満足しない」選手たち (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 広島がJ1で初優勝し、初めてこの大会に出場した2012年当時と比べても、成績だけではなく(2012年大会は5位)、内容的にも広島というチームが強くなっていることを、はっきりと証明した大会となったことは間違いない。前回出場時を知るMFミキッチが語る。

「ローテーションでいろいろな選手を使っても力を落とさず戦えたことが、3位という結果になった。森保監督が就任1年目で出場したとき(2012年大会)と比べて、今は積み重ねてきたものがある。一日一日の準備を続けてきた結果が、この成績につながった」

 この3年間での広島の成長を、ある意味で象徴するのが、DF塩谷司の存在ではないだろうか。3年前の2012年、シーズン途中にJ2の水戸ホーリーホックから移籍してきた塩谷は、初めての世界大会を終えると、少しばかり上気した様子でこんなことを話していた。

「なかなか経験できることじゃない。今年初めは、こんなことになるとは思っていなかった」

 当時の塩谷の出場機会は全3試合のうち、最後の5位決定戦にフル出場したのみ。それでも、シーズン半ばまでJ2でプレーしていた選手にしてみれば、夢のような結末だったはずだ。

 そんな塩谷も、今や広島に不可欠な中心選手となった。メンバーを入れ替えながら"総力戦"で今大会を戦い抜いた広島にあって、全4試合にフル出場したのはキャプテンのMF青山敏弘を除くと、フィールドプレーヤーでは塩谷ただひとり。森保監督の絶大な信頼がうかがえた。

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