サンフレッチェ広島の強さは、世界3位に「満足しない」選手たち
J1王者が世界の舞台で有終の美を飾った。
12月20日、横浜国際総合競技場で行なわれたFIFAクラブワールドカップ3位決定戦。開催国代表のサンフレッチェ広島(J1優勝)は、アジア代表の広州恒大(中国)を2-1で下し、"銅メダル"を獲得した。
この大会での3位は、2007年大会の浦和レッズ、2008年大会のガンバ大阪と並び、日本勢の最高成績である。
クラブW杯で3位となったサンフレッチェ広島。左から塩谷司、青山敏弘、佐藤寿人、森﨑和幸 鮮やかな逆転勝ちだった。試合序盤こそ、森保一監督が「(前の試合から)選手を入れ替えたことで不安定な部分が出てしまった」と振り返ったように、開始4分にしてCKから失点し、広州に主導権を握られかけた。
だが、その後は両サイドを広く使う広島らしい攻撃を展開し、次々に決定機を作り出した。得点こそ後半まで待たなければならなかったが、試合が広島ペースで進んでいることは明らかだった。
そして迎えた後半70分、CKから途中出場のFWドウグラスが頭で押し込み、同点に追いつくと、さらに83分にはFW浅野拓磨のヘディングシュートがクロスバーに跳ね返ったところを、またしてもドウグラスが頭で押し込んで勝ち越し。広島はアジア王者を相手に粘り強く試合をひっくり返した。
広島は、Jリーグチャンピオンシップ決勝第1戦が行なわれた12月2日からこの日までの19日間で、実に6試合を戦ってきた。心身両面で疲労は極限に達していたはずだが、森保監督は「タフな戦いになればなるほど、自分たちの持ち味が出せた」と胸を張る。今季J1での戦いぶりも含め、粘り強く接戦をモノにしてきた広島の強さは、称賛に値する。
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