サンフレッチェ広島の強さは、世界3位に「満足しない」選手たち (4ページ目)
あるいは、3位決定戦で今大会初出場を果たしたMF宮原和也。
今季J1でのリーグ戦出場は3試合に過ぎなかったが、19歳の俊英は大舞台でも臆することなく堂々たるプレーを披露。その姿は頼もしく、172cmの小柄な体もひと回り大きく見えた。
「使ってもらえるとは思っていなかったのでうれしかった」と初々しく話す一方で、「久しぶりの公式戦だったので『やってやろう』という気持ちはあった。リバープレート戦を(ベンチで)見ていて、自分もやりたいなと思っていた」と強気な姿勢も見せる宮原は、さらなる飛躍を期して語る。
「もっと(試合出場に)絡んでいかないといけないし、来年はしっかりレギュラーを取るという気持ちでやりたい」
図らずも厳しい日程が、広島の戦力の底上げを促す結果となった今大会。「我々は育成型クラブの哲学のもとで、ひとりひとりが成長し、チームとして成長してやっていく」と語った森保監督の言葉が、決して単なる理想論ではなく、現実のものとして進んでいることを証明した大会でもあった。
今大会で出色の活躍を見せ、チームの先頭に立って成長を続ける青山が語る。
「それが、チームのあるべき姿。次(にクラブW杯に出るとき)は自分が出られないかもしれないし、それくらいチーム力はついてきている。大事なのは、チームが強くなること。これ(3位になったこと)でよしとは思わないし、みんなが悔しい思いをして次へ向かう。満足している選手はいないと思う」
今大会をきっかけに、広島はまた強くなる。今年、広島が自ら示した"3年後の姿"は、未来へ期待を抱かせるに十分なものだった。
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