6度目の制覇。なぜ鹿島はこんなにナビスコ杯で強いのか? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 だが、血の入れ替えは単に若手を起用しさえすれば円滑に進むものではない。ある日突然、メンバーをベテランから若手へガラリと入れ替えたりすれば、無理が生じて失敗に終わるのがオチだ。

「ミツオ(MF小笠原満男)、ソガ(GK曽ヶ端準)、モト(MF本山雅志)らの世代がチームにいることが重要。これまでアントラーズが積み上げてきたものを彼らが継承している」

 試合後、石井正忠・鹿島監督はそう語り、ベテランの存在を称えていたが、彼らのような存在が若手の力を引き出し、ひいてはクラブの総合力を高めているのが、今の鹿島なのだろう。

 今回の決勝を前に小笠原は、ミーティングで「勝つと負けるとでは本当に違う」と選手たちに話したという。ナビスコカップ決勝で勝つ喜びも負ける悔しさも知る、36歳のキャプテンが口にする言葉は「重みがある」とDF山本脩斗は言う。

「真ん中にああいう選手がいるのは心強い。言葉だけでなく、プレーでも体現してくれた。いるといないとでは大きな違いがある」

 山本がそう続けたように、小笠原のような存在があってこそ若手も成長を続けることができ、総合力は保たれる。

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