カズと同じ胸中? 44歳・永井秀樹が現役を続ける「糧」 (3ページ目)
「彼の引退の仕方って、賛否両論あると思うんです。『まだできるのに、なんでやめるんだ』という声もあるでしょう。でも、“もう十分だ。夢は叶えた”と満足したんじゃないですかね? ヒデは海外でプレーして成功を収め、W杯にも3度出ている。それ以上、何を望むんだって。一方で、自分は何も成し遂げていない。目標にしていた世界も、W杯も出場できていなかった。だから、こうも考える。“自分は夢を叶えていないことが、今も続けられる理由なんじゃないか”って」
彼は自分の心を見つめるように、慎重に言葉を継いだ。
「もしかすると、カズさんもW杯に出られなかったことが、今も情熱が失われない理由なのかもしれない。それは、カズさんに聞いたことはないし、言われたくないことかもしれないけどね。少なくとも自分は、サッカー選手としての燃え尽き度が違う。『いいサッカー人生ですね!』と言われると、居心地が悪い。自分は何も満足していないから」
足らざることが彼の情熱を満たし続け、肉体を突き動かしてきた。
では、44歳になった永井は古巣ヴェルディで何を求めてプレーしているのか。J2リーグ第36節(10月10日)終了現在、ヴェルディは5位。J1昇格プレーオフ圏内(3~6位)に位置している。
「もともと、ヴェルディはJ2にいるべきクラブではないと思っています。J1昇格はあくまで通過点」と永井は言う。
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