カズと同じ胸中? 44歳・永井秀樹が現役を続ける「糧」 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 44歳まで現役を続けるには、人の巡り合わせが大事というか、やはり奇跡に近いものがあるのだろう。

 中学時代には、永井は吉武博文(その後、U-17日本代表を率いてU-17W杯に出場)という指導者と出会い、ボールプレーの面白さに目覚めている。パスを回し続け、とことん敵を走らせ、残り5分で全員足をつらせるサッカーを理想にするようになった。中学3年の時にはマンツーマンで指導を受け、夕飯をそのまま共にし、夜遅くまでサッカー話に花を咲かせた。

 永井は必死に技術を磨いてきたという。

「カズさん(三浦知良/横浜FC)とも話すんですけど、技術はさびない、ということは、続けられる理由としてはあるかもしれない。今も、そこは負けない自信があるから」

 相手を小馬鹿にするようなテクニックで、格好良く勝つ。その性分はヴェルディの気風とマッチした。彼が4度もヴェルディに戻ったのも、やはり巡り合わせだったのかもしれない。

 さりとて、いくら技術を持っていても、やめる者はやめる。

「ヒデ(中田英寿。29歳で現役引退)の気持ちが、実はわからないではないんですよ」

 永井は訥々(とつとつ)と胸の内を明かす。

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