カズに次ぐ44歳のJ戦士・永井秀樹「国見高3年間の貯金がある」
東京ヴェルディ
永井秀樹インタビュー(前編)
小学校、中学校、高校と「いい指導者に恵まれてきたことが大きかった」と語る永井秀樹。 クラブハウスの応接室に入ってきた彼は、着席しようと椅子を引きながら広報担当者に呼びかけ、水を持ってくるように頼んだ。
「コーヒーにしますか?」
広報が気を利かせたが、彼は即座に断った。
「薬を飲むから、水にして」
彼がそう伝えると、広報は退室した。ポケットから錠剤を二錠取り出した彼は、苦笑混じりに言った。
「どうやら、左の肋骨が折れちゃったみたいでさ。先週の試合(J2リーグ第35節/10月4日vsコンサドーレ札幌)で接触があってね。まあ、相手も悪気があった訳じゃないし、バキッとなったから『やばいかな』とは思っていたんだけどさ。まあ、サッカーを続けていたら、みんなどこか痛いもんでしょ? このくらいが、サッカー選手らしくていいよ」
あけすけに彼は言い、錠剤を水で飲み込んだ。
永井秀樹は、44歳で現役サッカー選手を続ける。所属する東京ヴェルディでは今季、試合の流れを変える切り札として、16試合に出場(10月10日、第36節終了時点)。プロサッカー選手の平均年齢が26~27歳と言われる中、現役最年長記録を更新し続ける48歳の三浦知良(横浜FC)と並んで、異例の存在と言えるだろう。監督の1学年上で、札幌戦で交代した選手は19歳と、まるで息子のような年齢差だった。
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