J2天王山、大宮vs磐田に見る昇格候補の「J1での可能性」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 10月4日、今季J2の優勝の行方を左右する大一番が行なわれた。

 前節(第34節)終了時、勝ち点74で首位を走る大宮アルディージャと、勝ち点10差の2位で追うジュビロ磐田との対戦は、互いに激しくボールを奪い合う、熱のこもった好ゲーム。前半に磐田が2点をリードし、後半は大宮が2点を奪い返す打ち合いの末、2-2の引き分けに終わった。

首位攻防戦らしい白熱した戦いを見せた大宮と磐田。首位攻防戦らしい白熱した戦いを見せた大宮と磐田。 それぞれが置かれている立場の違いによって、「勝ち点2を失った試合と言わざるを得ない」(磐田・名波浩監督)、「実質勝ち点3の価値がある」(大宮・FWムルジャ)と受け止め方には差があったが、客観的には非常に見応えのある熱戦だった。チケットが完売し、1万3000人を超える観衆が詰めかけたヤマハスタジアムの雰囲気も含め、2部リーグとは思えない試合だった。

 この第35節を終えたJ2は、残すところ7節。必死に食い下がる眼下の敵を退けた大宮は、早ければ次々節(第37節)にもJ2優勝が決まる可能性があり、J1自動昇格(2位以内)はほぼ手中に収めている。

 また、残るひとつのJ1自動昇格枠の行方は、数字上の可能性はともかく、現実的には2位磐田(勝ち点65)、3位アビスパ福岡(勝ち点61)、4位セレッソ大阪(勝ち点59)の3クラブに絞られたと言っていい(その他、3位から6位までの4クラブが出場して行なわれるJ1昇格プレーオフを経て、もう1クラブが昇格する)。長かったシーズンもゴールは目前に迫っており、大勢が見えてきた。

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