再び降格の危機。清水エスパルス、J1残留へ光は見えているか (3ページ目)

  • 望月文夫●文 text by Mochizuki Fumio
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 その成果が、ここに来て結果にも表れてきた。J1リーグでは今季、全26試合消化して15試合で2失点以上を喫してきたが、田坂監督就任後は2失点を喫したのは1試合のみ。ここ3戦はすべて1失点以内に抑えている。

「(選手たちから)"闘う姿勢"が出てきたから、もう守備では大崩れすることはないだろうし、もっとやれると思う」(田坂監督)

 守備力アップについては、選手たちも自覚している。DF平岡康裕が言う。
「対人への守備は、チームとして徹底されてきたし、自分の役割もはっきりしてきた」

 そして、MF枝村匠馬は、守備の安定が攻撃面にいい影響をもたらしていると語る。
「守備が安定してきたことで、攻撃への展開もスムーズになってきた」

 攻撃においては、セカンドステージ途中から加入した期待の新戦力、元北朝鮮代表のFW鄭大世(チョン・テセ)が出場6試合目のFC東京戦で待望のゴールを決めたことも、今後に向けて明るい材料となった。

「ゴールしたことはホッとしているけど、チームを勝利に導けなかった......」と、鄭大世自身は悔やんだものの、「チームのムードメーカーだから、一発に重みがある。2点目、3点目を決めるときは、必ず勝利に結びつけてくれるだろう」と、DFカルフィン・ヨン・ア・ピンは今後の活躍に期待を膨らませる。クラブの幹部も、こう語って自信を見せた。

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