勇躍サンフレッチェ「浦和を止められるのは、広島だけ」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 負けたとはいえ、浦和にとって決して悲観するような内容でなかったことは、改めて言うまでもない。一昨季に大宮アルディージャが打ち立てたJ1連続無敗記録の21試合にはわずかに及ばず、今季リーグ戦初黒星を喫したものの、さすがの強さを見せつけた。

 浦和のペトロヴィッチ監督は、「非常にいいゲームができた。65分(実際は67分)に追いつかれるまでは、(自分が浦和を率いてきた)この3年半でベストのひとつに数えられる内容だった」と語ったが、あながち大袈裟な表現ではない。それほど、浦和は広島を圧倒していた。ペトロヴィッチ監督が続ける。

「今日見せたパフォーマンスは今後に必ずつながる。我々の強さは変わらない。こういう試合を続けていくことが大事だ」

 今季ファーストステージを制し、年間勝ち点でも首位に立つ浦和は、その成績が伊達ではないことを示した。「負けてなお強し」を印象づけた試合だったと言ってもいいだろう。

 しかし、年間順位で首位を争う注目の上位決戦を制したのは、紛れもなく広島だ。森保監督は語る。

「浦和は日本で最高に強く、12番目の選手(サポーター)も強力な雰囲気を作れるチーム。それに勝ったのは自信になる」

 そして、広島にとっては恩師とも言うべきペトロヴィッチ監督が率いる浦和を倒した感想を問われると、「勝ってうれしい」と話しつつも、こう続けた。

「浦和とはもう一度、チャンピオンシップで戦わなければいけないと思っている」

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