ガンバ遠藤保仁が語るV2「2005年のチームと違う強さ」 (3ページ目)
「守備については、昨季J2のときから監督に厳しく言われてきたからね。大事なことは、最終的にはゴールを守るということ。そのためには、しっかりと守備のブロックを作って守りつつ、前から行けるときはそこを狙う。そのメリハリが夏くらいからよくなった」
遠藤がそう語るとおり、中断明けからは完封試合も増した。8月から9月にかけて7連勝を達成したときには、無失点ゲームが5試合もあった。
攻守ともに力をつけて、さらにそのバランスがよくなったガンバは、完全に上昇気流に乗った。そしてリーグ終盤戦、「上位チームとの対決にすべて勝ったのが大きかった」と、遠藤は振り返る。
サガン(第26節/9月27日)、アントラーズ(第27節/10月5日)、フロンターレ(第28節/10月18日)という上位陣との3連戦である。その戦前、遠藤は「優勝するには、3つとも取る必要がある」と語っていたが、そこで見事3連勝。それこそが、“奇跡の逆転劇”につながる契機となった。
そのうえで、ナビスコカップ決勝(11月8日)でサンフレッチェ広島に3-2と逆転勝利。リーグ制覇へ、一層の弾みをつけた。遠藤が言う。
「(ナビスコカップ決勝では)2点のビハインドがありながらも、それをはね返せるだけの余裕が(チームには)あった。まったく慌てることがなかった。後半はシステムを変えて勢いを取り戻して、途中出場の(大森)晃太郎が決勝ゴールを決めて勝った。途中から出てきた選手が結果を出すというのは、それだけチーム全体が高いレベルにあるということ。そういうチームは強いよね」
その強さは、天王山となったレッズ戦(第32節/11月22日)でも発揮された。両者一歩も譲らぬ死闘は、後半40分を過ぎても0-0だった。その時点で遠藤は一瞬、「引き分けも考えた」という。だが、途中出場のFW佐藤、MF倉田が結果を出して、2-0と劇的な勝利を飾った。
「2005年に優勝したときの、FWアラ(アラウージョ)とFWオグリ(大黒将志)、そしてMFフェル(フェルナンジーニョ)に依存していたチームとは違う強さだね。チーム全体がレベルアップして、攻守に隙がなくなった。誰が試合に出ても、活躍するしね。そういう意味では、(チームに)攻撃力とか守備力とかだけじゃなくて、総合力がついてきたのかな、と思う」
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