2014.12.08

なぜ今年の大宮は「残留力」を発揮できなかったのか?

  • 土地将靖●文 text by Tochi Masayasu

 2005年のJ1昇格から、今年で10年目——。節目となる今シーズンも、大宮は残留争いに巻き込まれた。8月に大熊清監督を解任し、渋谷洋樹コーチを新監督に据えると、一時は降格圏を脱出。しかし、第31節・広島戦で引き分けて再度16位に沈むと、そこからの浮上は叶(かな)わなかった。最終節、ホームで行なわれたC大阪戦は2−0で快勝したものの、15位の清水に勝ち点1及ばず、大宮の来季J2降格が決定。過去9シーズン、しぶとくJ1に残り続け、メディアにも取り上げられた「残留力」は、今季ついに発揮されなかった。

最終節は勝利したものの、大宮アルディージャのJ2降格が決定した シーズン途中の様々なテコ入れも、結局は奏功しなかった。それだけ、開幕9試合で勝ち点7しか残せなかった序盤の傷が大きかったということだろう。昨年までの中心選手だったFWノヴァコヴィッチ(現・清水)、MF青木拓矢(現・浦和)、DF下平匠(現・横浜FM)を一度に失ったことで、今年新たに就任した大熊監督に苦難が待ち受けていることは、シーズン前から容易に想像できた。もちろん、クラブもその穴埋めに着手はしている。MF家長昭博の獲得に成功してチームの中核に据えると、FWラドンチッチ、MF横山知伸、DF中村北斗といった即戦力も補強した。

 しかし、得点源だったノヴァコヴィッチの代役として期待されたラドンチッチは10試合足らずで先発の座を追われ、無得点でチームから離脱。また、攻守の軸となるダブルボランチは試合ごとに組み合わせが変わり、ウィークポイントだった左サイドバックもレギュラーが定まらない。さらに、サイドバックだった今井智基をセンターバック、センターバックの高橋祥平を左サイドバックと、大胆な起用をしたかと思えば、4バック→3バック→4バックと、何度もシステムを入れ替えた。チームの根幹が定まらなかったことが、低空飛行を続けた要因だろう。