J1鳥栖、優勝への覚悟。「このチャンスを逃したら一生後悔する」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Tsukida Jun/AFLO SPORT

 今季J1は5月10日に行なわれた第13節を終え、サガン鳥栖が首位に立っている。

 AFCチャンピオンズリーグに出場した4クラブの試合消化が1試合ずつ少ないため、あくまで暫定順位ではあるのだが、鳥栖は第12節で柏に1-0で勝って首位に立つと、続く第13節でも横浜F・マリノスに2-1で勝利。最近2節で首位をキープしている。

 鳥栖を率いて4季目を迎える、尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督が満足そうに語る。

鳥栖を率いて4年目となるユンジョンファン監督鳥栖を率いて4年目となるユンジョンファン監督 「本当にキツい日程のなかで選手たちは高い集中力を持ち、非常にひたむきに戦い抜いてくれた」

 鳥栖は4月26日から中2日、中3日、中2日、中3日で続いたゴールデンウィーク期間の5連戦を4勝1敗と大きく勝ち越し。すべてが1点差という際どい勝利を重ねて、ジワジワと順位を上げてきた。

「連戦のなかでは結果が大事だった。上位に行くにはそれをものにできるチームでないといけない」

 キャプテンの藤田直之がそう話すように、鳥栖はここまで9勝4敗の勝ち点27。2位・浦和レッズを勝ち点1差で抑えて首位に立っている。

 全9勝のうち7勝が無失点勝利であることからも分かるように、鳥栖の好調ぶりが堅守をベースにしたものであるのは間違いない。

 とはいえ、それだけなら健闘止まり。首位に立つことは難しい。実際、数字もそのことを証明している。

 J1昇格1年目にして5位に躍進した一昨季、同時期(第13節終了時)の成績を見ると、鳥栖は5勝3敗5分けの勝ち点20で8位。十分健闘はしているのだが、どうにも引き分けが多かった。当時の総失点は11。奇しくも今季とまったく同じ数字なのだが、その一方で総得点15は今季(20点)より5点も少なかった。

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