2014.03.31

福田正博が考える「浦和の広島化」の問題点

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 浦和レッズというクラブは、これまで多くのタイトルを取ってきたわけではない。リーグ優勝はまだ1回。2007年にACLを制してアジアチャンピオンにもなったが、それ以降タイトルから遠ざかっている。ここ数年、「タイトルが欲しい」というサポーターの思いも非常に強い。それに応えるためにどうするかをクラブも考え、今の体制になっていると思う。

2006年から2011年まで広島を指揮し、2012年から浦和を率いるミハイロ・ペトロビッチ監督 浦和は、2000年に一度J2に落ちて、翌年J1に復帰。そこから優勝するクラブに成長して(06年)、アジアの頂点にも立った。だが当時、ホルガー・オジェック監督のサッカーが、カウンターと個人能力で打開するスタイルで面白くないと批判されたこともあり、内容を求める傾向が次第に強くなっていった。その後、フォルカー・フィンケ監督(2009-2010)、ゼリコ・ペトロビッチ監督(2011)と、パスをつないで組織を重視する監督を招聘し、結果と内容の両方を目指した。しかし、結果が出ないまま、現在のミハイロ・ペトロビッチ監督が2012年に就任。今シーズン、優勝という結果が期待されている。

 ペトロビッチ監督のサッカーは非常に独特で、世界的にあまり類を見ないスタイル。浦和であのサッカーが続いていくのかどうか。そういう意味でも、ペトロビッチ体制3年目は、非常に興味深い。

 ペトロビッチ監督は優勝こそできていないが、浦和で非常にいい実績を積み上げていると私は思う。低迷していた浦和を、優勝争いに加わる上位に引き上げたことは間違いない。十分評価に値すると思う。

 チームも毎年、ペトロビッチ体制で優勝という結果を残すために、監督の意向を汲んで、監督の広島時代の教え子を獲得している(2014年西川周作と李忠成、2013年森脇良太、2012年槙野智章)。

 問題は、そのメリット、デメリット、どちらが大きいかということだ。

 メリットとしては、ペトロビッチ監督のサッカーを理解している選手を連れてきたほうが、早く結果が出やすいということがあるだろう。育成して教え込んでいくより、自分のスタイルを熟知している選手の獲得を監督が要望するのは当然の流れ。優勝するためのアプローチとして間違っていない。ペトロビッチ監督がより結果を出せる環境を作り上げることができているといえる。